W 24 -TWENTY FOUR- プロローグ
2007年5月10日、辻ちゃんの婚約会見が行われた日。 あの日を持って私の中でWというユニットに対してのケジメがついた。 ケジメと言っても、別にWに対しての熱い思いや未練がなくなったわけではない。 加護ちゃんが謹慎期間に入ってWが活動休止期間に入った時も、 二度目の喫煙報道により事実上の解散を宣告された時でさえも、 私の中でWはまだ続いていた。 リーダーである辻ちゃんが1人で活動を続けてる限り、 Wとしての歴史は続いてるし、そこにWの魂は残ったままだと感じていたから。
辻ちゃんは生涯を共にするパートナーを見つけ、自らの体に新たなる生命を宿し、 一旦、芸能活動のレールから離脱する。 出産後、芸能活動を再開する可能性もあるが、それは今まで続いていたWとしての 活動とは私の中では別物であり、Wとしての道程とは違ったものと位置づけている。 いつかまた辻希美、加護亜依の2人で活動してくれる事を諦めたわけではないし、 その夢は一生持ち続けていく事に変わりはない。 ただ、あの会見の日を持って、一旦Wは幕を閉じたとの思いがあり、 私の気持ちの中での区切りの日となった。 第一期Wの終焉日というか、Wと共に歩いてきた自分にとっての終戦記念日という思いである。
Wの事実上の活動期間と呼べるのは実質24ヶ月足らず。 2004年3月Wというユニット名が発表された日から2006年2月活動休止が発表された日まで。 その間リリースされたシングルが6枚、アルバムが2枚。 Wとしての単独ツアーは一度足りとも行われず、 事実上W名義と呼べる公演はミュージカル「キャラ&メル」のみである。 24ヶ月の活動期間内に記録として残っているWの活動はほんの僅かであり、 バイオグラフィーでまとめて見るとあっさりとしたもので終わってしまう。 しかし、その短かった活動期間、数少ない作品の中には記録に残っていない素晴らしい思い出や、 奇跡的な出来事は数多くあるし、納得できない事や数多くの傷跡も残っている。 それを改めて書き残しておきたいとの思いが今強くある。
過去を振り返る事は今まであまりやりたくなかった事ではあった。 活動中は過去を振り返る余裕はまったくなかったし、活動休止中は過去を振り返るだけで辛くなった。 一旦気持ちに区切りのついた今だからこそ、この記憶を辿る作業をやりたくなったというのが本音である。 今まで亜依國精神で書いてきたものを生きてる間にリマスター作業しときたいと思ったのも理由の一つ。 24ヶ月の活動期間を共に歩んだ生き証人の1人として、W・辻希美・加護亜依の記録に残っていない 数々の軌跡をこれからゆっくりと振り返りながら書き残していきたいと思う。
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